第9章 【誕生記念】妹なんかじゃいられない! / ◆&♥
────お前に灼熱の想いを注ぐ
それはどんなお前でも変わらない。
それでも……
他の男が用意した物で綺麗になるのは、
少しばかり癪だな?
だったら、今度は俺が買ってやる。
そんな囁かな嫉妬をするくらい、
俺はお前の事が好きだ。
だからお前も───………
『釣り合いたい』とか『大人の女』とか
そんな事考えずに、俺の傍にいろ。
そう、溺れて這い上がれなくなるくらい、
俺の事も好きになってほしいから。
「じゃあ…もう一回、するか」
「う、うん……」
「────美依、愛してる」
「あっ…ぁんっ……」
愛しい時間は蜜に過ぎていく。
俺は愛する者と重なり合いながら、永久(とこしえ)の幸せを願った。
毎年訪れる誕生日、毎年少し特別な日。
それを一番好きな女が一番に祝ってくれる、そんな幸福を噛み締めながら───………
その夜も、濃密で色濃い時が煌めいていったのだった。
*****
(うー…やっぱりまだ少しだるいかも)
秀吉さんのお誕生日の次の日、十八日の夜。
お祝いの宴に参加していた私は、何となく気怠い身体を感じながら、料理に手をつけていた。
ちらりと上座に視線を送れば、宴の主役である秀吉さんが皆に囲まれて談笑している。
その姿は清々しく、とてもじゃないが閨での獰猛な雰囲気は微塵も感じさせない。
────秀吉さんのお誕生日前日
化粧をして秀吉さんを『誘惑』した私は、宣言通りたくさん『気持ちいい事』をされ……
次の日の昼過ぎまで、褥から出してもらえなかった。
秀吉さんは私をたくさん愛してくれ、夕方には少し市へ出かけたけれど、その夜はまたたっぷり愛を注がれた。
骨の髄まで蕩けてしまい……
今朝も起きられなかった私は、今日も仕事を休んでしまって。
『閨から出さなくていいな』とは言われていたけど、正直こんなに"される"とは予想外だった。
(秀吉さんは…今日は普通にお仕事してたんだよね)
やっぱり体力の差かなぁ……
そんな事を考えていると、私の隣に誰かがすっと腰を降ろした。
視線を移せば、綺麗な黄金色の瞳が意地悪そうに光っていて。
その人物は私に酒を勧めるように、徳利を差し出してきた。