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〖イケメン戦国〗翡翠色の向日葵《豊臣秀吉短編集》

第9章 【誕生記念】妹なんかじゃいられない! / ◆&♥





「まさかとは思うが、光秀で練習したりしてないよな?」

「え、何を……?」

「男を気持ち良くする方法」

「ま、まさか!そういう案は出してもらったけど、やり方は自分で本を読んで調べたんだよっ!さすがにそれは練習しないよ、秀吉さんを裏切る事になるから」




美依の言葉を聞いて胸を撫で下ろす。
確かに安心はしたが……
でも"俺を好くさせろ"と案を出したのは光秀か。
それはそれで面白くないな、練習していなかったのは幸いだが。
何と言うか…手のひらで転がされている感じがする。

俺が少し不機嫌になると、美依は目をぱちくりとさせ、そして可愛く首を傾げ……
まさかのど真ん中を突いてきた。




「秀吉さん、もしかして…やきもち?」

「……俺も嫉妬くらいする」

「……!そ、そうだよね」




(……なんか美依、嬉しそうだな)

そんな顔を見たら、思わず苦笑が漏れた。
こんなみっともない、ガキっぽい感情。
美依は俺に釣り合うために、大人の女になりたいとか言うけれど……
俺だって、大して大人ではないのかもしれない。
特に美依を目の前にすると、俺が俺を保てなくなる。

────多分それだけ愛してるって事
俺の方こそ…お前に釣り合う男になりたい




「なぁ、美依。せっかくなら俺を気持ち良くしてみるか?」

「え……?」




俺が思い切ってそんな提案をすると、美依は目を輝かせて俺を見た。
なんでそんなに期待に満ちた顔をするんだ…それもそれで可愛いけれど。

せっかく明日は誕生日だし、美依自身を贈り物として貰うのだから、"して"もらうのもいいのではないか。
大人の女として…とかではなく、ただお互いに気持ち良くなる事が『愛し合う』という事だろう?

それに、俺は美依に焦らされた。
少しだけ"仕置き"の意味も込めたい。




「せっかくやり方を調べたなら、してもらおうかと思って。誕生日でもあるしな…出来るか?」

「……うん!」

「あと、嫉妬させたお仕置きで」

「ふふっ…解った」




仕置きなのに、嬉しそうだな。
そんな美依を改めて抱き締め、温もりを閉じ込めれば……
際限なく生まれる愛しさに、ひどく幸せを覚えた。







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