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死刑囚

第1章 徴集


初期刀vs政府の男
一触即発ファイッ!!!

……などと現実逃避再びしていたら、なにやら冷戦が勃発していた。目が笑ってない笑顔でお互い微笑み合うなんて怖過ぎやしないか初期刀君と時の政府さん。とりあえず仲介しないと話が進まないので仕方なしに清光の方を向く。

「清光、申し訳ないけどここで少し待ってて。お役所の仕事ってのはこんなもんだから」

「……主が言うなら仕方ないし待っててあげるよ」

渋々残る清光の頭を軽く撫でてから、政府の男の方を向くと既に部屋のドアの前まで移動していた。なんだよ素早いな。

「お待たせしました。では行きましょうか」

「審神者様が察しの良い方で助かります」

自分が何を察したのかはわからないけど、どうやら冷戦状態は回避できたらしい。政府の男の後についていくと、等間隔にドアの並ぶ廊下に出た。いくつ目か数えるのも面倒になってきたドアの前を通り過ぎ、T字路の突き当たりにある部屋へと入る。そこには人当たりの良さそうな初老の女性と巫女装束が一揃い。着替えろ、ということらしい。巫女装束はもとより、そもそも和服なんて着た事がないから戸惑っていたら、控えていた女性が着付けてくれた。審神者の正装なのだそうだ。おまけに薄化粧までしてもらい、鏡の中には軽く見違えたかと思うような女性がいた。さっきまでスッピンに作業着だったとは誰も思うまい。

「本丸に入る前にいくつか注意事項を。まず審神者としての職務についてはサポート役が本丸にいますのでそれから説明を受けてください」

時の政府の男が突然説明を始めた。鏡の中の自分に気を取られていたので聞き逃しそうになり、慌てて耳に入った単語を復唱する。

「サポート役、ですか…?なんて方なんですか?」

「こんのすけ、と申します。人間ではなく管狐ですのでご注意ください。時の政府の式神です」

式神、だなんて相変わらず厨二乙ってヤツだなぁなどと思いつつも頷いて先を促す。

「こんのすけから説明がありますが、毎日日報と週に一度週報の提出義務があります。こちらは既に書式が出来ていますので、必要事項を記入するだけです。提出方法はメールと書類、2種類から選べます」

やはり事務方の仕事はあるようだ。このペーパーレスの時代に紙媒体でも提出できるのは珍しい。面倒なのでメール一択だけれど。
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