「新テニ×ダン戦」理想のペア、LBXバトルでダブルス!?
第1章 理想のペア、LBXバトルでダブルス!?
「丸井くん、LBXの操作、分かりますね?」
木手に振られ、
「おう!」
と、答えた丸井は手に持っていたLBXの操作リモコンをかまえました。
「丸井くん、木手くん、行くよ!」
バンがLBXのリモコン操作を始めたあと、ジンも無言でリモコン操作を始め、丸井が操作しているペルセウスに攻撃を仕掛けます。
丸井はこのとき、動揺していました。先ほど、ヒロから教わったLBXの操作を忘れてしまったのです。そんな丸井の様子に気付いたか、木手がフォローします。
「丸井くん、左旋回のボタンでしょう」
「わりぃ、キテレツ、そうだった」
丸井は慌てながら左旋回のスイッチを押し、ジンのイカロス・ゼロからの攻撃をかわしました。
「やるな」
ジンはそうつぶやき、続けてペルセウスに攻撃を仕掛けます。
「へ、何でこっちばっかり……」
丸井は再び慌て、左旋回のボタンを何度も押してしまいました。
「丸井くん、あなた、そんなに左旋回のボタンを押したら……」
木手が止めますが、丸井は左旋回のボタンを押し続けることを止めません。
「けど、このボタン押すしか防ぐ方法を知らないだろい」
丸井が困った表情でLBX操作していると、ヒロが止めに入りました。
「バンさん、ジンさん、一旦バトルストップ! 丸井さん、左旋回ボタンを押したあと、直進ボタンを押さないと、ペルセウスはただぐるぐる回転してしまっているだけです。ほら!」
「やべ、ペルセウスがフィギュアスケート選手みたいな回転になってる……」
丸井がぎょっとなっていると、
「ぷっ! はははははっ!」
アラタが笑い出します。
「………」
木手は呆れ、小さくため息をついていました。バンとジンの方は苦笑しながら丸井たちのやりとりを見て木手に声を掛けます。
「木手さんは丸井くんと同じ学校?」
「クラスメートとか」
「いえ、彼とは学校が別々です」
「そうなんだ。何か親しそうに見えたから」
「ふん、そんなんじゃありませんよぉ」
木手がバンとジンから背を向けてそう言ったものだから、少年2人は顔を見合わせ、笑っていました。