第2章 蝶屋敷で働く私と炭治郎様の物語〜誕生日編
それからはいろんなところに連れて行かれ、夢のような時間で、あまりお屋敷から出たことない私は、何もかも新鮮だった。
「…少し、休憩しようか」
『はい、ありがとうございます』
公園のベンチに座ると、炭治郎様が心配そうな声で話しかけられる。
「…何か浮かないような匂いがするけど、もしかして楽しくなかったか?」
『…ち、違いますっ!……炭治郎様のおたーっ⁉︎///』
あわてて話そうとしたら、唇の前に人差し指を当てられて止められる。
「…呼び方、また、戻ってるぞ?」
『…っ、ご、ごめんなさいっ…///』
「よし、それで?」
『た、炭治郎さんの、お誕生日なのに私が楽しんでしまって…私も炭治郎さんを喜ばせたいのに…』
ふと、炭治郎様は、微笑んで見つめてくる。
「俺だってちゃんと楽しんでるよ? こんなのんびりした時間は久しぶりだ、何よりリルルと一緒にこうしていられるのが、嬉しい」
『…っ//、炭治郎さんっ…///』
胸がきゅっとなって、思わず顔を逸らす。
「…あ、甘い匂いに変わった」
『…〜っ、い、言わないでくださいっ…///』
「さて、デート、の続きをしよう!」
『…っ⁉︎///はいっ…』
差し出された手を取って、私達はまた歩き出した。
何がどうしてこうなってしまったのでしょう…。
『…んぁっ、やぁ、た、んじろう、さんっ///』
「…ん、はぁっ、凄く、美味しいよ…っ」
あの後、またいろんなところを連れていってくださって、最後は不思議な建物に連れて行かれた。
『…ここは…?』
「んー? 入ってからのお楽しみだ、さぁ行こう!」
中に入ると、誰もいなくてお部屋が用意されているだけだった。
『…た、炭治郎さん、ここって…きゃっ///』
いきなり、お姫様抱っこされると、部屋の奥にある大きなお布団に下された。
「…そう、リルルから誕生日の贈り物を貰おうと思ってね」
『…贈り物って、わたし、何もっ…んぅっ///』
するといきなり口付けをされた。