第2章 蝶屋敷で働く私と炭治郎様の物語〜誕生日編
蝶屋敷にてー。
『…えっ?』
「…だから!今日はお休みでいいです!」
『…ほ、ほんとですか⁉︎』
私は思わずアオイさんの手を両手でぎゅっと握ってしまった。
「…あーもー早く行ってあげなさい!//、年に一度しかないんですよ!」
『…あ、ありがとうございますっ!』
ぺこっと、アオイさんにお辞儀をして、炭治郎様のところへ向かった。
そう、今日は炭治郎様の誕生日。
まさか一緒にずっといれるなんて思わなくて、顔がにやけてしまう。でも何も用意してない。
どうしようかと考えていた。
「…リルルは本当に見てて飽きないね」
『…たっ、炭治郎様っ⁉︎///』
いつの間にいたのかわからなくて、あたふたする私。
もしかして見られていたのかと思うと顔が熱くなる。
『…い、いつからいたのですかっ?//』
「ついさっきだよ? ちょうど屋敷から出てくるのが見えて、声かけようか迷ったけど、1人で百面相してるから見ておこうと思って」
『…もぅっ// すぐ、声かけてくださいっ///』
「…ごめん、ごめん、凄く可愛かったから」
『…〜〜っ///』
炭治郎様は相変わらずさらっと平気で恥ずかしいことを言うから心臓が持たない。
「…そういえば、仕事はいいのか?…」
『…はい!今日は、アオイさんからお休みをいただいて』
「…じゃあ、今日はずっと一緒に?…」
『…はいっ///』
「…そっかぁ、後でアオイに感謝しないとな!」
『はいっ!』
2人して笑いあうと突然手を引かれて、ぽふっと炭治郎様の腕の中に収まる。
「…今日は最高の日になりそうだ…」
耳元で囁かれ、溶ろけそうになるのを堪えて告げる。
『…〜っ///、あのっ…た、炭治郎様っ…ここ道の真ん中ですっ///』
「…そうだったね、じゃあ、行こうか?」
一度離れると、手を繋がれる。
もちろん恋人繋ぎ。
「リルルと行きたいところがあるんだ!」
『はい、お供します!』