第8章 捌ノ型. 悪意には悪意を
「私が、胡蝶です。」
先頭にいた煉獄の横から胡蝶が身を乗り出す。
その姿を一瞥してから長身の男、もとい朱嘉は白髪の男を見る。
「烟霞-エンカ-、お嬢をあの女に渡せ。ここに居る奴らは信用出来る...」
烟霞と呼ばれた白髪の男はゆっくりと立ち上がり胡蝶へと向かう。
優しい手つきで胡蝶へ刹那を渡し再び後ろへと下がった。
「っ...今綺麗にしますからね。」
そのまま胡蝶は走って部屋の外へと出る。
「わ、私も!」
胡蝶に続いて甘露寺も部屋を出た。
「蛍清-ケイセイ-、お前はそこにぶっ倒れてる奴ら連れてけ。治療しとけよ、死んだらお嬢に大目玉だ。」
「えーー!俺嫌だよこんな汚ねえ奴ら助けるのー。」
「いいから行け。」
「朱嘉は鬼使いが荒いな〜。」
「紫苑-シオン-、部下共に鬼殺隊の管轄全体警備させろ。」
「了解。」
唖然とする柱を他所に、テキパキと指示を飛ばす朱嘉。