• テキストサイズ

ナルシサス。【煉獄杏寿郎】

第1章 壱ノ型. 出会う






いよいよ雲行きが怪しくなってきた時、




『.......手紙を、』




ポツリと少女が呟いた。



『お館様に、母からの手紙をお持ちしました。読んでいただければ私が何故ここへ来たのか、分かっていただける筈でございます....』




「手紙だあ?適当な事言ってんじゃねえよ....罠か何かだろうが...」


苛立たしげな視線を向ける不死川を無視して少女は体を起こす。



『着物の内側にございます、どうぞお取りになってください。』


「では私が取りましょう」


そう言って立ち上がった胡蝶を待てと富岡が静止した。



「罠かもしれないんだぞ、そんな安易に...「大丈夫ですよ」っ...」



「拘束された鬼にやられる程私は弱くありませんし、もし何かあればすぐに殺します」



微笑みながらサラリと物騒な事を言う胡蝶の威圧に、富岡は言葉を詰まらせそのまま押し黙ってしまった。



「では失礼して......あ、ありましたよ〜」


少女の言う通り着物の内側からするりと出てきた手紙を、胡蝶はそのままひなきに渡す。




「なんと書いてあるのかな?」




視力を失ったお館様の代わりに、ひなきが手紙を開く。





「元露柱-ツユバシラ-、暁天 玉藻様からの手紙のようです」



「「「「「「「「「な!」」」」」」」」」



9人全員の声が揃う。


「元柱からの手紙だと?!」


「この女母親からの手紙だって言ってたよな?!」


「よもや!君の母は元柱なのか!!」



ざわめく柱達を他所に、お館様は落ち着いたまま手紙の続きを待っている。







「では、一部抜粋して読み上げます。」






.
/ 210ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp