第1章 壱ノ型. 出会う
そこで煉獄は考える。
そう言えば理由という理由は聞いていない。
ただどうしても会いたいという事だけは聞いたが、と、ちらりと自分の横にいる少女に目を向けた。
「何だ、理由も聞かずにここに鬼を連れてきたのか?煮るなり焼くなり好きにしろという事か?」
一向に話し出さない煉獄に痺れを切らしたのか、伊黒の目がギラリと光る。
「大方煉獄を唆しここに来るまでは上手くいったが、その後の事は考えていなかったんだろう。阿呆だな、派手に殺してやろう。」
「哀れな、今すぐ殺して苦しみから解き放ってやらねば...」
「そうだな、ド派手に首を切って太陽に掲げよう!!血が綺麗に輝きそうだ!」
伊黒に続いて宇髄、悲鳴嶼までもが物騒な事を言い出す。
「何だっけあの雲、何だっけ....」
「だからさっさと殺せばいいって言ったんだ俺はよ」
(不死川さん今日も物騒!素敵だわ!!)
「不死川さん、勝手な行動だけは辞めてくださいね。」
(鮭大根が食べたい.....)
各々思う事は自由奔放である。
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