第1章 壱ノ型. 出会う
同日某時刻、鬼殺隊本部
「で、こりゃどういう状況だあ?」
「む?」
急な呼出に若干ピリついた音柱、宇髄天元が口を開いたのは
本部に柱全員が集合し5分と経たないうちだった。
いつも通りの表情で宇髄を見返す煉獄から、視線を移し傍に拘束された少女を見る。
気配からして鬼であろうに、日光を浴びているという事実と
柱全員に囲まれても表情を変えない少女に興味を惹かれた。
「煉獄さん、宇髄さんは何故貴方が鬼を連れているのか気になっておられるようですよ?」
宇髄の横からひょっこりと顔を出したのは蟲柱たる胡蝶しのぶだ。
「ああ!拘束してもいいからお館様の元へ連れていけと言うのでな!連れてきた!」
あっけらかんと答える煉獄に宇髄と胡蝶は頭を抱える。
拘束されているとはいえ相手は鬼だ。
何故ここまで楽観的なのか、そう思いつつ恨めしげに煉獄を見るが結局その表情は変わらない。
先程から不死川は殺気立っているし、時透は相変わらず空を見つめて何かボヤいている
伊黒は木の上で事の流れを見ているし
甘露寺は宇髄に熱い視線を送り、悲鳴嶼と冨岡に至っては離れた所で何やら独自でやっているようだ。
集まる度に思う統一感の無さ。
皆が静かになるのはお館様が来られた時だけだ。
(はあ、お館様早くこの状況をどうにかしてくれ.....)
宇髄は強く強く願った。
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