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ナルシサス。【煉獄杏寿郎】

第9章 玖ノ型. 母襲来







柱達が任務へと向かう為煉獄邸を後にしたのは夜も深けた頃だった。




時透は最後まで刹那傍を離れようとしないし、

富岡は何を考えたのか刹那の布団に見舞いの品だと言って永遠に花を押し込んでいた。



まあ結局最後は半ば無理やり悲鳴嶼に担がれ出発したのだが。




あの時の2人を見る伊黒と胡蝶の顔と言ったら、思い出すのも恐ろしい。




(長い一日だった。)






いくらか疲れの見える顔をしながら庭を歩く煉獄の歩みは、屋根の上に見えた人影を捉え止まる。


人影と同じように屋根上へ上がりそこへ近づけば、






「少し話をしよう。」







気配に気付いたのかそう言われる。

人影の主は玉藻だ。



刹那によく似た顔で笑いながら、おいでおいでと手招きするので大人しく従う。


特に拒むことも無く、隣に座った煉獄を見て玉藻は満足気に視線を前に戻した。




「刹那がよくお前の話を手紙に書く。太陽のような男だと聞いて、興味が湧いていたのじゃが...ほんにお前は太陽のようじゃ。」




唐突に言われ、目を見開く煉獄に玉藻はくっくっと笑う。





「強く、聡明で、刹那に対しても優しい心を向けてくれる。あの子にとってそれがどれ程幸せな事か。」




言った玉藻に煉獄は首を横に振った。


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