第1章 壱ノ型. 出会う
「し、しのぶちゃん、とってもいい考えだと思うんだけど....その役割は誰がするの?その、一緒に住んで暫くずっと任務を共にするっていうのは....」
甘露寺がおずおずと尋ねると、胡蝶は今日1番の笑顔で言い放つ。
「煉獄さんでいいじゃないですか」
「よもや!俺か!!」
胡蝶のアイディアにほかの柱連中はなかなかに乗り気だ。
「まあ確かに。元を辿れば連れてきたのは煉獄だ。」
「む!言われてみればそうだな!」
「僕はどちらでもいいかな。すぐに忘れるし。」
「むむ!どちらでもいいが1番困るな!!」
「哀れな....」
「うむ...」
「その女連れてる時は俺に近づくんじゃねえぞ、殺すからな」
「うむむ!手厳しい!」
「(鮭大根....)」
「む!何故こちらを見ないのだ富岡は!」
「(はあ、今日も頭が冴え渡ってるしのぶちゃん!かっこいい!!)」
「うむ!甘露寺もか!」
「はっはー!ド派手な生活になりそうじゃねえか煉獄!!」
「よもや!!決定事項かこれは!!ならば仕方ない!」
と、このような調子でなかなかに馬鹿にしている。
それを全て前向きに受け取る煉獄もどうかと思うが.....
「では今後の事は決まりだね...」
お館様の声によりふざけ合っていた柱達の顔が一気に引き締まる。
お館様は1度全員を見渡して刹那に視線を戻した。
「刹那、今日から君は杏寿郎の家にお世話になりなさい。任務に行く時は必ず杏寿郎と共に行動するように、暫くこの生活が続くだろうから頑張るんだよ。」
『はい、お心遣いありがとうございます』
「杏寿郎、刹那の拘束を解いてあげなさい。今日からは一緒に過ごすのだから、皆仲良くね。」
「「「「「「「「「御意」」」」」」」」」
仲良くなど出来る訳が無いと納得していないものが殆どだが、とりあえず大まかな今後の方針が決まって、一安心だ。
煉獄に世話役を上手く押し付けた事によって、今日の柱合会議は終わりを迎えた。
そのまま皆各々帰路につく。