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【呪術廻戦】廻る日の青

第8章 slow dance





なまえの言葉に、夏油は一瞬きょとんとしてから、気まずそうに口を開いた。


「……お互い特級同士忙しいし、あまりゆっくり会えていなかったからだろう。久しぶりに感じるのも仕方ない」


ごまかすようにそう言う夏油に、なまえは続ける。


『ねえ、傑。呪霊操術ってさ、しんどいだろ?』

「……なんだ、急に。…そうでもないさ。もう慣れた」

『だって、呪霊を飲みこむんだよ。私も一度呪術連で模倣を試させられたけど、死ぬほど不味かった。私には無理だったよ、飲みこむことすら出来ずにすぐに吐き出した。それからもしばらく吐き気が止まらなかった。…あれを毎回やってるなんてさ、いくら慣れたって、きついもんはきついだろ。あんまり無理するな』

「………」

『任務、大変でしょ。疲れるよね。悟と傑の行く任務はいつもえげつないから』

「……なまえも同じ特級だろう、変わらないさ」

『全然違うよ。特級は術師の格付けの中でななめにハズれた位置づけってだけで、同じ特級でも、体質が特殊なだけの私は、悟や傑とは訳が違う。私は特級の中じゃ最弱だし。だから悟と傑みたいに、危険な任務には行かせて貰えないし、単独行動もできないし』

「なまえ、それはお前が弱いからじゃない。そこをはき違えてはいけないよ。武力だけが強さの全てじゃない。なまえは反転術式による治療を行える貴重な人材だし、他の術師じゃありえないほどの呪力量をもつその身体がある。現に術式の模倣も確実に上達しているじゃないか。君は、呪術連の育てた宝なんだ」


夏油の言葉になまえはぱちぱちと瞬きをすると、頬を紅く染め困ったように眉根を寄せた。


『……やめてよ、照れるじゃん』

「本当の事だろう?なまえはいつも自信がないな。入学初日の自信はどうした?今やお前も特級の一人だろう?」

『…そりゃ自信だってなくなるよ。いつも私の前には悟と傑がいるんだもん。私も早く、悟と傑みたいになりたいなぁ』

「……私も悟とは訳が違うさ」


夏油の表情が翳る。なまえが言葉に詰まっていれば、彼は続けた。


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