第5章 眩しい光
「ただいまー!」
『~~!?』
扉を開けたのは、言わずもがな五条である。なまえは慌ててボタンを閉めてから、五条に向かって怒鳴った。
『だからノックもしないで勝手に入ってくんなっつったろ!?しかもただいまって何!?お前の部屋じゃねえし!!』
「あーはいはい御託はいいから。ほらほら、これから楽しい模様替えだよ~」
訳の分からないことを言い出す五条の両手には、大きな紙袋が4つ。どの袋も中身はパンパンに詰まっていて今にもはち切れそうだ。
そんな五条を怪訝な顔で見つめていれば、お構いなしとでも言うように靴を脱いでズカズカと入ってくると、紙袋を開封し始めた。その紙袋達から出てきたのは、クッションやら、ぬいぐるみやら、変なオブジェやら、観葉植物、お洒落風な間接照明や、ルームフレグランス、写真立てなどの、自分の部屋とは縁のなかったありとあらゆるインテリア用品だった。
『ちょっと何これ!?買ってきたの!?ここで開けるのやめてよ、自分の部屋で開けて!!』
「ここに飾るのに、なんでここで開けちゃいけないわけ?つぅかオマエも突っ立ってないで早く手伝えよ」
『は!?何言ってんの?ここに飾る!?はぁ!?』
意味がわからない、と立ち尽くしているなまえを無視して、五条は黙々と紙袋からインテリア用品を出すと、そこら中に飾り始めた。
「んー、なんか違うな。飾ってあった時はお洒落だったのに。あ、わかった、ここがなまえの部屋だからか」
『ちょっと、アンタほんと何してんの!?』
なまえの声に、五条はインテリアを飾る手をぴたりと止めると、ゆっくりと口を開いた。
「さっき、いつ死ぬかわかんないとか言ってたじゃん。…あれさぁ、正論言ったつもり?それが正論だっつぅんなら、俺が捻じ伏せてやる」
五条はぽつり、と言ってから、続けた。
「死なせねぇし。オマエは俺が死なせない」
五条の言葉に、なまえは大きく目を見開いた。