第5章 眩しい光
怒鳴り散らしながら、なまえは五条をソファから引き摺りおろすと、ぐいぐいと腕を引っ張ってなんとか部屋の外に出した。全く迷惑な奴である。
五条と夏油は、たまにというかまぁ割とよく喧嘩する。最初は些細な口喧嘩から始まって、その内お互い術式を展開して本格的に戦い始める。夏油の術式は呪霊操術なので、高専内のアラートがゴングのように鳴り響き、決まって夜蛾に怒られるのだ。
まぁ、すぐにケロッとした顔でいつの間にかいつも通りの二人になっているので、心配するだけこちらの無駄である。
『あー、ったくこんな短時間でどーやったらこんなに散らかるんだよ』
ソファの周りに撒き散らされたお菓子のゴミの山になまえははぁ、と大きくため息を吐きながらちびちびと片付けていく。五条がここで菓子を食い散らかすせいで、いつかゴキブリが出そうで怖い。ここ最近なまえが一番恐れていることである。
それにしても、よくもまぁこんなに甘いお菓子を大量に食べてあの細身なスタイルを保っていられるものである。そんなことを考えながら、黙々とゴミを片付けついでに部屋の掃除をしていれば、あっという間に夜になっていた。
『うわー、もうこんな時間か』
時計を見ながらぽつりと呟いてから、掃除機を元あった場所に戻す。硝子を誘って夕飯を食べに行くかと思いながら制服を脱ごうとボタンを一つ外した時だった。勢いよく、部屋の扉が開いた。