第5章 眩しい光
『はあ。お前、また夏油と喧嘩したんだろ?さっきアラート鳴ってるの聞こえた。素直に謝ってこいよ。アンタらが喧嘩するとこっちも迷惑被るんだからさ』
「はぁ?なんで俺が悪いことになってんの?」
『五条と夏油の喧嘩なんてほぼ五条が悪いだろ。夏油の言ってることはいつも正論だもん』
「はー、全く嫌になっちゃうね。正論正論って、俺は正論が嫌いなんだよ」
『でも夏油の言ってることを"正論"って言ってる時点で、それが正しいってことはわかってんだろ?』
なまえの言葉に五条は菓子を食べていた手をぴたりと止めて、なまえの方を見た。
『アンタの言うこともわかんなくないけどね。正しいってわかってても、それを受け入れられるか受け入れられないかはまた別だし。正論が全て正しいとは言わないけど、世間はいつだって正論を求めてる。…まぁ、いつかアンタにも夏油の言う正論を受け入れられる時が…いや、受け入れなくちゃならない時が来るんじゃない?大人になりゃ嫌でも』
なまえの言葉に、五条は少し考えるように天井を仰いでから、やがてすぐに不貞腐れたような様子でチョコレートを口の中に器用に放り込んだ。
「まだ子供だからワカンナーイ」
『大人になってもそんなこと言ってそうで怖いわ』
「なまえはどんな大人になりたい?」
『そんなの決まってんじゃん。最強の呪術師になる!!』
「オマエも大概子供だよね」
『うるせぇ。ていうかチョコレート食べたゴミその辺に捨てるのやめてくんない!?アンタが来た後いつもゴミが散らかってんだけど!!自分が散らかしたものくらい自分で片付けてよ!!』
「俺ってなんでもできちゃうじゃん?だからなんでもやらないようにしてんの。て事で掃除はなまえがして」
『ふざけんな!!とっととでてけ!!そのゴミと一緒に粗大ゴミに出すぞ!!』
「はー、今日も飽きずにピーピーうるさいねオマエ」
『誰のせいだよクソ野郎!!着替えたいし掃除もしたいんだよゴミは出てけ!!』
「何、俺の前で着替えるのが恥ずかしいの?かーわいー」
『くたばれセクハラ野郎!!』