第16章 因中有果
『ああ、ごめんごめん。手応えのある呪霊は久しぶりだからさ。つい楽しくなっちゃった』
「ま、それにしたって僕達の敵じゃないけどね」
「―――貴様等…ッッ!!馬鹿にするのも大概にしろ―――!!」
ボン、と爆発するように頭を噴火させた呪霊の攻撃を、なまえはふわりと交わすと、あっという間に虎杖と五条の元にひらりと舞い戻る。
『悠仁、ここからが本番だよ。よーく見てて』
そう言ってなまえがにこり、と笑うと、五条が自身の目隠しに手をかけながら、ゆっくりと口を開いた。
「領域に対する最も有効な手段。こっちも領域を展開する。同時に領域が展開された時、より洗練された術がその場を制するんだ」
『まぁ、相性とか呪力量にも寄るんだけどね』
「ッ灰すら残さんぞ!!五条悟!!!」
叫びながら術式を放つ呪霊に、五条はしゅるり、と目隠しを解いた。
「―――領域展開「無量空処」」
ふわり、と白い髪がその白い肌に降りて、青い瞳が露わになる。瞬間、五条から放たれたその領域に、呪霊の動きがぴたりと止まった。
―――何も見えない。
―――何も感じない。
―――違う。
―――何もかも見える。全て感じる。
―――いつまでも情報が完結しない。
―――故に、何も出来ない。