第15章 ハジメテをキミと。※番外編
五条の言葉に、思わず首を傾げる。
『か、勘違い…?』
「そっ。ぜーんぶなまえの勘違い。だからなまえはもう拗ねなくていいよ、拗ねた顔も可愛いからもーちょっと意地悪したかったんだけど。俺が我慢できそうにないし」
そう言いながら五条は、片手でサングラスを外すと、ひょい、とソファの横に投げた。そんな五条を見ながら、なまえはさらに首を傾げた。
『は、はあ…?』
「俺が経験豊富だと思ってたんだろ?」
『…だってそうでしょ?』
「こうなってる俺を前にしても同じこと思う?」
そう言って五条はゆっくりとなまえの手に自身の手を絡める。繋がれた手はじっとりと汗ばんでいて、熱を帯びていて。
「オマエの前ではいつだって余裕なんてないんだよ。柄にもなく手だってこんな汗ばんじゃってるし。心臓バックバクだし?こっちだって、ほら」
言いながらもう片方の手で、五条はなまえの手を自身の下半身へとぐい、と充てがった。
『ちょっ…!』
固く反りたった、服越しにもわかる熱いモノに手が触れて、思わず肩を揺らす。
『な、なにすんのっ』
「まだキスもしてないのにこれだよ、俺やばくない?」
『………』
「ホントはロマンチックなシチュエーションとか?いろいろ考えてまだ手出さないつもりだったんだけど。なまえが可愛すぎるんだもん、色々と限界だよね。まぁなまえが思ってるような経験豊富な男じゃないし、オマエをいい気分にさせてやれる自信もないんだけど。俺もなまえと同じでハジメテだし」
『……え?』