• テキストサイズ

【呪術廻戦】廻る日の青

第14章 ある夢想



ぽつり、とそう言って、伏黒は俯いた。そんな伏黒に、なまえは口を開いた。


『神様はさあ、平等に命をくれたけど、平等な現実はくれなかった。世の中、不平等な現実のみが平等に与えられてる。不平等な事ばかりだよね、呪術師なんて仕事は特にさ。でもそれは呪いが見えない非術師だって同じ。だからこの世界には呪いが溢れてる。それを私達が祓うんだ、不平等に与えられたこの力でね』


優しくそう語りかけるように話すなまえに、伏黒は小さく息を吐いてから、口を開いた。


「……似てるんすよ、少し」

『ん?何が?』

「…虎杖が。なまえさんに」


伏黒の言葉に、なまえはふふ、とほほ笑んだ。


『私は悠仁には遠く及ばないよ。悠仁は、太陽みたいだよね。いつだって眩しくて、周囲を明るく咲かせるの』

「……そういうところが似てるんです。そう見えるくせに、本当は弱いところとか」

『ちょっと。私に勝った事ないくせによく言う』

「勝ちますよ、そのうち。まさか忘れてないですよね、約束」

『もちろん。私に勝ったら、子供扱いを辞める、でしょ?小さい頃からブレないねえ』

「もう俺高1ですし。いつまでも子供扱いされるのはうんざりなんで」

『長い反抗期だなぁ。高1なんてまだまだ子供だよ?』

「俺がオッサンになってもそんなこと言ってそうで怖いです」

『あはは、確かに』


楽しそうに笑う彼女に、先程まで強張っていた伏黒の顔が自然と綻ぶ。


/ 227ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp