第3章 天和国へ
もう一回門脇を見た時に殴られた。
「やめろ。門脇永瀬君は関係ないだろ」
すぐに門脇が
「うるせんだよ!もう一回殴られたいのか」
「おい、永瀬お前も次正義を語って説教でもしてみな。
お前もこいつみたいにしてやるからな!」
「たてつくなよ!分かったか!」
そう言い放って門脇は教室を出て行った。
「大丈夫か?」
「ああだいじょうぶ。ごめんね。俺の事なのに殴られたりして」
そう言い交してごちゃごちゃになった机を直してから俺と日ノ原は帰った。
~帰り道~
「なあ日ノ原?一つ聞いていいか?」
「教室で言い合ってたのって何の話?」
日ノ原が重い口を開いて言った。
「中学の時に俺と門脇は友達で一緒に同じ学校の陸上部だったんだ」
「2年間ずっと一緒に辛い練習に乗り越えてきた」
「二年生のある日、門脇が顧問の先生に呼び出されたんだ」
「最近のタイムが落ちていると言われたらしい」
「この調子だと部に必要ないって言われたんだ」
「タイムが落ちていた理由は足が思いどうりに動かなかくなったって」
「そのとき俺は立ち聞きしてたんだ。部屋に入ろうとした時に声が聞えたから」
「そしてあいつが勝負で俺に勝ったら部に残って、負けたら退部するって言ったんだ」
「それを聞いた俺は部に残って少し足の治療をしてほしかったんだ」
「それで俺は門脇との勝負で少し速度を落としたんだ」
「俺は門脇のためにやったのに。」
「俺を見下したな、ずっとずっと、同じレベルで頑張ろうと思ってたのは俺だけかよ。信じてたのに、この裏切り者ってて。で今みたいに憎まれてるんだ」
そうだったのか。こんな事情があったのか。道理であんなに憎まれているのか。
「そうだったのか。中学の時にそんなことが」