「新テニ」理想のペア、2組のペアたちとドリンクジ対決!!
第1章 理想のペア、2組のペアたちとドリンクジ対決!!
「不二、何色で行く?」
後衛にいた乾が不二に聞きました。
「青で行こうかな」
不二はテニスボールをラケットでバウンドさせながら後ろを振り返り、乾に返事をします。
そうして、乾と不二の同時に打つサーブが始まり、見事5連続とも青のコーンに命中しました。
ターンが1周し、黄金ペアの番になります。大石と菊丸は今度は緑のコーンを狙い、難なく5連続サーブをクリアしました。
次に丸井と木手の番になり、今度は丸井が木手に声を掛けず先に早歩きし、前衛につきます。そのあとに木手はゆっくり歩き、後衛につきました。
「あの2人、大丈夫かな? さっきよりムードが悪い気がするにゃ……」
「こりゃタイヘン……」
菊丸と大石が一緒のベンチで不安そうに理想のペアの様子を見ます。
「あのままで行くと、丸井と木手がまた5連続サーブを失敗する確率、100パーセント」
と、乾の確率は間もなく当たることになるのでした。
「丸井くん、何色にするか決めないのですか?」
丸井が後ろを振り返らないまま、何も聞いて来なかったからか、木手が尋ねます。
「……青」
丸井は後ろを振り返らず、木手に冷たく返事を返しました。