「新テニ」理想のペア、2組のペアたちとドリンクジ対決!!
第1章 理想のペア、2組のペアたちとドリンクジ対決!!
「ブン太くんは親しげみたいだけど」
不二はニコニコした表情で丸井と木手のやりとりを眺めます。黄金ペアも理想のペアの方に顔を向けました。
「木手、何色狙う?」
「緑がいいですかねぇ。それとも……」
「わかった」
「丸井くん、ま……」
待ったと木手が言いかけたときにはもう遅く、丸井は先に緑色のコーンを狙って打ってしまいます。
「あれ、木手、何で打たなかったんだよ?」
丸井が後ろを振り返って言いました。
「あなたがオレの話を最後まで聞かずに勝手に始めてサーブを打ったんでしょう」
木手が腕組んでメガネを光らせていると、
「何ぃ……」
丸井は後ろを振り返ったまま、木手を横目で睨みます。
「2人とも、いきなりゲームオーバーだな」
「そだね」
と、青学の黄金ペアが苦い表情で理想のペアを見ていました。
「さあ、お好きなカップを」
乾は30カップほどのドリンクをお盆に乗せたものを丸井と木手に見せます。理想のペア、ドリンクジを引く感じでカップを選び、飲んでみました。
すると、幸い、ハズレのドリンクではなかったようです。普通のスポーツドリンクだったことに丸井と木手はホッとし、ベンチに戻ります。ベンチに戻るとき、丸井と木手は別々のベンチにそれぞれ座りました。それを見た菊丸はつぶやかずにいられなかったか、
「丸井と木手、ペアなんだから一緒のベンチに座ったらいいのににゃー」
と、言っていました。
一方、別々のベンチに座っていた丸井と木手の間に気まずい空気が流れていたのでした。特に会話もせず、次の乾と不二のペアのサーブを見学します。