「新テニ」理想のペア、2組のペアたちとドリンクジ対決!!
第1章 理想のペア、2組のペアたちとドリンクジ対決!!
「なぜ、大変だと思いますか?」
木手にそう聞き返され、丸井は風船ガムを膨らましたあと、返事をします。
「だって、ターゲットのコーンを狙うのに前衛より距離があるから、後衛にいる大石が大変だなって」
「ブン太くん、そこは心配いらないよ。大石なら遠くからでもターゲットのコーンを当てられる」
と、不二の言う通り、最初1発目の黄金ペアのサーブは赤のコーンに命中しました。
「おおー、すげー、青学の黄金ペア、天才的ぃ~」
「………」
丸井の言葉を耳にしながら、メガネの片方を光らせ、大石と菊丸のハイタッチをじっと目にしていた木手です。そんな木手を気にしてか、乾が声を掛けてきます。
「君も丸井とハイタッチしたらいい」
「………」
木手は乾の言葉を聞かなかったことにし、大石と菊丸が5回連続サーブを打ち終えたあと、先に早歩きでコートに入りました。
「ちょっ、キテレツ、待てって」
丸井も小走りでコートに入ります。
「木手、丸井にオレたちも行こうぜって声掛けてあげたらいいのに」
と、菊丸が言うと、大石は肩をすくめ、
「木手と丸井は他校同士だから、親しげに声を掛けられないのは仕方ないんじゃないか」
と、言いました。