第8章 ローズとエリザベス
捨て猫(?)としてGalaxyAngelsに救助され、同艦のマスコットとして飼われ、隊員全員に可愛がられているローズだが、“バランディ”という外宇宙生物で、銀河連邦では古くからペットとして扱われている。しかし、地球人には謎が多い事には変わらなかった。
そのローズが一番懐いているのは艦長のスコットだが、スコットは特に可愛がっている様には見えない。餌は食堂のターニャが与えているし、遊び場は小型艇の整備場や格納庫で、整備士やレスキュー隊員が遊び相手をしている。
しかし、ブリッジにいる時のローズは、スコットの膝の上にいる事が多い。
「何でローズは先輩に懐いてるんやろ?」
ロブがローズを見ながら首を傾げる。
「たぶん艦長がここで一番偉いって本能的に感じてるんじゃないの?」
近くにいたメルが答えた。
「それじゃあ、エリカ司令が来たらエリカ司令の方に行くんですかね?」
メルの隣にいるリンが呟いた。
「どうなんやろな?エリカ司令は滅多に来んから気付かんかったな…」
「お前ら、何コソコソ話してるんだ?
そろそろ基地に着くぞ
エリー、司令部へのデータファイルを頼む」
「了解シマシタ」
スコットの一言でローズの話題はお預けとなった。