第6章 辺境の記憶
ロブが貨物船に着くとすぐにアインを呼んだ。
『アイン!どうだ?』
『副隊長、左右の貨物室なら安全だと思われます』
『よし、すぐに打ち込んで引き出すぞ!』
ロブとアインは迅速にワイヤアンカーを打ち込み貨物船を引っ張った。
『…あかん…動かん
救助艇くらいのパワーじゃびくともせぇへん…』
そこにスコットから通信が入った。
『待たせたな!
ケンから聞いたぞ…
ワイヤを艦に固定しろ!こっちで引っ張る!』
ロブとアインは救助艇を艦のジョイントに接続固定した。
『隊長!準備完了です
空調システムがやられている可能性があります
急ぎ引っ張り出して下さい』
ロブの合図で艦はゆっくりと磁気嵐の外へ動き出した。貨物船はワイヤーに引かれ磁気嵐を脱出した。
『医療チームは至急貨物船へ乗船し、船員の体調確認を急げ
手の空いている救助隊員は医療チームを手伝え!
整備チームは貨物船の船体確認を頼む』
スコットの指示で艦内は大慌てだ。
「よし、アルは対艦船用牽引ビームの準備、シェリーは引き続き周辺探索…
メルは司令部に連絡、磁気嵐の事も言っとけ
リンは周辺を航行している船舶に注意勧告を流せ
俺は現場を見てくる」
スコットは一通り指示を出すと、艦長席にローズを座らせブリッジを出た。