第1章 結成!GalaxyAngels
スコットの言葉にケンの表情が険しくなった。
「…なんで俺の腕が良いと思う?
俺の事は何も知らねぇだろ?」
「その染み付いた油の匂い、ゴツゴツとした傷だらけの手、この艦を見上げた時の顔…、後は勘だな」
スコットは苦笑いした。
「はっ…勘だと?はははっ!
艦長さん、あんた師匠と同じ事を言うんだな」
「…師匠?」
ケンの言葉にスコットが首を傾げた。
「あぁ俺に整備のイロハを教えてくれた源三ってメカニックだ
スラムで悪さばかりしてた俺を師匠が拾ってくれたんだ
なんで俺なんか?って聞いたら、笑いながら『勘だ』って言われたよ」
ケンは照れた様に頭を掻きながら答えた。
「俺もあちこち渡り歩いきたが、あんたも源三って師匠も聞いたことはないが、どこでメカニックしてたんだ?」
「俺は軍にいたからな…
まぁ、いろいろあってここの長官に拾ってもらったんだ」
スコットには意外な答えが返ってきた。
「ここの長官って、アレン・ガーランド長官の事か?
何で軍人のあんたを…?」
「さぁな、俺は整備出来るならどこでも構わない」
スコットはアレン長官が何か意図してケンを送り込んだのかと思ったが、ケンの様子から考え過ぎだと思い直した。
「じゃあ、思う存分整備してくれ」
「俺に任せとけ!きっちり整備してやるよ」
二人は堅い握手をして別れた。