第1章 結成!GalaxyAngels
司令部を後にしたスコットは、艦艇ドックに向かった。ドックには銀河連邦から支給されたオレンジ色の救助艦が収まっている。
「ひゅ~、コイツは思っていたよりデカいな」
スコットが艦を見上げていると、三十代くらいでドレッドヘアのヒョロッとした黒人男性が近づいてきた。
「あんたがハート艦長さんかい?」
「あぁ隊長のスコット・ハートだ…、あんたは?」
「この艦でメカニックを任されたケン・トレーシーってもんだ、よろしくな
しかし、とんでもない艦だな、コレはよ!
どれもこれも規格外じゃねぇか」
ケンはスコットの横で艦を見上げる。
「銀河連邦製の艦だから地球製とは規模が違うよな」
銀河連邦の救助艦は、救助艇や作業艇などを多数搭載出来る大型の救助母艦と言える。軍艦並のサイズながら、艦の制御の殆どをマザーコンピュータが行う為、少人数のクルーで運航出来る。しかし整備はやっぱり人の手で行わなければならない。
「規模だけじゃねぇよ
エンジンなんざ、どんな構造かも分かんねぇ
ブラックボックス的な所が多過ぎるぜ」
ケンは艦を見上げたまま愚痴を並べる。
「まぁ、あんたは腕が良さそうだから、整備は安心して任せられそうだ」
スコットは初対面のケンに、そう言葉を掛けた。