第6章 辺境の記憶
グレンは小型宇宙船の横に着け呼び掛けた。
『こちら銀河連邦所属のレスキュー隊、どうかしましたか?』
返答はなかったが、中から古めかしい宇宙服を着た人が現れた。
「あんだ?騒々しい…
おっ!おめぇ客か?
オラの芋はうんめぇどぉ!買ってけや!」
どうやら移動販売をしている船の様だ。
『こちらグレン
赤い光りは移動販売船のようっすね
一応確認してきます』
グレンは艦に報告すると外に出た。宇宙船も時代遅れなおんぼろだが、どこか哀愁が漂って見えた。
「おっさん、焼き芋ってなんだ?」
「おめぇ焼き芋さ知らんのか?
チッキュウって辺境の星で太古の昔から食べられてきた伝統料理さ
オラの育てたヴェガ芋さ使ったら、宇宙一うんめぇ食い物さなっただよ!
今なら一個200Gにマケてやっから買ってけ!」
「そんなに美味いなら20個買うぜ」
「兄ちゃん気に入った!
更に2個オマケしてやっからよ」
「おっさん、たくさん売れると良いな!」
グレンは石焼き芋を手に小型艇に戻ると艦に報告する。
『石焼き芋って食い物の販売船だった
すっげえ美味いらしいんで、お土産に買ったからみんなで食おうぜ』
この通信にまたロブが頭を抱えた。
「こいつは…帰ってきたらシバき倒したる」
「まぁ、こんくらい多めにみてやれ
それより石焼き芋って大昔の日本って国の食べ物だろ?ロブは知ってるのか?」
スコットはロブに尋ねた。