第3章 未知の宇宙
艦が基地に戻ると、スミス司令から通信が入った。
『動物の保護と聞いてますが、銀河連邦の規則では隊長判断となっています
スコット艦長はどうするつもりですか?』
「危険のない動物なので艦内で飼育したいという意見がある
初任務で救助したのも何かの縁だ
これから全クルーの確認を取るので決まったら連絡する」
スコットはスミス司令との通信を終えると食堂に向かった。
食堂にはすでに全クルーが集まって『バランディ』を囲んでいた。みんなそれぞれに『バランディ』の印象を話し合っている。当の『バランディ』はキョロキョロと辺りを見回していた。
「ミャー」
『バランディ』が箱を飛び出し駆け寄った先にはスコットがいた。みんながざわついたのは言うまでもなかった。
「はーい、みなさんお静かに!
隊長からみんなに確認を取りたい事があるそうで~す」
ロブが仕切って、スコットがみんなの前に出た。腕の中には『バランディ』が収まっている。
「こいつの事はもう知ってるな
こいつの処遇は俺に一任されている
艦内で飼育しようと思うが反対意見はないか?」
「厨房に入られちゃ困るよ!」
ターニャが腕まくりした。
「治療室にも入らないでもらいたいな」
カークが睨みを効かせた。
「機関室も危険だからね」
黒沢機関長が呟いた。