第3章 未知の宇宙
そこに治療室からカークが出て来た。
「艦長、あの猫もどきの意識が戻ったぞ」
スコットが治療室に入ると、点滴で栄養補給して元気になったバランディが辺りをキョロキョロとしていた。
「ミャ~」
スコットを見ると箱から飛び出し駆け寄ってきた。足元にじゃれ付く姿は猫そのものだ。
「艦長の事が気に入ったみたいね」
レイラが微笑んだ。
「先輩、こいつどうするんすか?」
ロブはバランディを抱き上げスコットに差し出した。
「どうするって言ってもな…
動物は一応、拾得物と同じ事になってるし…」
バランディはスコットの腕の中でおとなしくしている。
「先輩、まさか動物収容所に送るつもりっすか?
こんなに懐いてるのに?」
「しかしな、規則は規則だ」
スコットとロブのやり取りにカークが口を挟んだ。
「治療中に亡くなったとすれば…」
「パパ!それならこの艦で飼えるわね!」
レイラは賛同したが、スコットの顔は曇ったままだ。
「…確かに収容所には送りたくはない
外宇宙生物となれば、処分される可能性は高いからな
しかし、任務としての報告もしないとならない…」
「大丈夫デスヨ」
突然エリーが話し出した。
「銀河連邦レスキュー隊規則ニ、現場デノ拾得物ニ関シテハ隊長ニ一任サレマス
ナノデ、コノ『バランディ』ハ隊長ニ任サレマス」
スコット以外は喜んだ。