第3章 未知の宇宙
「あの…私が間違えて…、艦に入れる備品を司令部に送ってしまって…」
「備品に関しては自分の仕事っす
リンちゃんは関係ないっす」
ロブはリンのミスをカバーして司令部に行っていた様だ。それを聞いたスコットは表情は和らげたが、ロブにきつい一言を告げた。
「お互いにミスをカバーしあうのは良いが、報告は忘れるな!
ロブ、お前には向こう一週間、艦のトイレ掃除を命じる
リンには、これからブリッジミーティング時の進行役をやってもらう」
ロブはわざとらしく肩を落として見せた。
「艦長、救助艇に接近します」
アルからの報告にスコットが指示を出す。
「よし、救助艇と作業艇を収容しろ
ロブ、カプセルを見に行くぞ」
スコットはロブを連れて救助艇格納庫に向かった。
二人が格納庫に着くと救助艇の収容は終わっていて、患者(猫?)を医療室に運ぼうとしていた。
「レイラ、患者の状態はどうだ?」
「栄養失調だと思うんですが、地球の猫とは違うので…」
レイラの答えにスコットとロブは箱を覗き込んだ。箱に入ったままだが、毛色は銀色で見た目は猫にそっくりだ。
「身体の作りは地球の猫と変わらない様です
ですが、この毛色ですから猫と同じに考えて良いものか?…
とにかく治療室に運びます」
レイラは首を捻りながら治療室に入って行った。