第3章 未知の宇宙
「えっ?…レイラ先生ちょっと」
アインは箱を開けるとすぐにレイラを呼んだ。レイラは首を傾げながら箱の中を覗いた。
「これは…」
レイラはすぐに鞄から電子診察器を取り出した。箱の中には一匹の猫らしき動物がぐったりとしている。診察器をかざして容態を確認した。
「衰弱はしてるけど、命に別状はなさそうね
すぐに救助挺の方に運んで!」
レイラはグレンに命令口調で頼んだ。グレンもすぐに箱を抱え上げ救助挺に向かった。
「隊長、箱の中には衰弱した猫の様な動物だけです
救助挺に運んで治療を始めます」
『そうか、我々も今そっちに向かっている
猫でも命は命だ、頼むぞ』
スコットは通信を終えるとロブを呼び止めた。
「ロブ、どこに行く気だ?」
「いや…その…ちょっと…」
スコットのドスの効いた声にロブは直立不動でしどろもどろだ。
「さっきの冗談は、状況が分かっていたから百歩譲ってやる
…なんで乗艦に遅れた?」
「いや~自分、居眠りしちゃいまして…」
ロブが頭を掻きながら苦笑いしたが、スコットは睨み据えたままだ。そのスコットとロブの間にリンが割り込んだ。
「あの…それは…私が…」
「リンちゃんのせいやないっす!」
リンの言葉を遮る様にロブが声を上げた。
「リン、何があった?」
スコットはリンに向いて話しを聞いた。