第3章 未知の宇宙
艦はワープ航行を終え、薔薇星雲の近くに出現した。ブリッジのメインスクリーンには赤い薔薇星雲が大きく映し出されている。
薔薇星雲は一角獣座にある星雲で、水素原子の出すHα線が強いため赤く発光し薔薇の様に見える事から名付けられた。
「座標確認、シールド解除…
艦長、到着しました」
アルの報告にスコットが頷いた。
「よし、シェリー、救難信号をレーダーでトレースしてくれ」
シェリーはレーダーを操作し救難信号を受信した。
「艦長、目標は微速ながら移動してます
救難カプセルかと思われます」「救難カプセルだと?
近くに船の残骸とかはあるのか?」
「いえ、それらしい影はありません」
「メル、カプセルと通信出来るか調べろ
リンは近くを航行している船に警報を出しとけ」
スコットは二人に指示を出すと、艦内放送に切り替えた。
『救難信号は救難カプセルからのものと思われる
内部の状況はまだ分からないが、人的被害も考えられる
救助挺にはドクターも同行してくれ』
艦内放送を聞いて、カークがレイラに同行の指示を出した。
「レイラ、頼んだぞ」
レイラは看護士を一人連れて救助挺に向かった。
救助挺ではアインの指示でカプセル回収の装備を準備していた。
「ケンさん、作業挺はカプセル収容挺を使います
グレン、カプセルを収容したらすぐに連結するぞ!
レイラ先生はこちらへ」
レイラが救助挺に乗り込み、レスキュー隊の準備が整った。