第3章 未知の宇宙
銀河連邦からの初任務は、地球から約4600光年先、一角獣座薔薇星雲内で発信された救難信号の対処だ。現場から一番近いとは言え、ワープ航法でも一瞬では行けない距離だ。
ワープ中でも艦内は救助準備に追われる。スコットはロブに司令部の情報から救難信号の正確な位置を割り出させた。
「発信位置は一角獣座薔薇星雲内、座標536・702・188っす
しかし、いきなり一角獣座なんてやっぱり銀河連邦は凄いっすね」
ロブは妙な感心をしている。
レスキュー隊員やメカニック達は救助艇や作業艇の準備を進めていた。司令部の情報では救難信号というだけで詳しい内容は無かった。
「おいアイン、作業艇は何使うんだ?」
メカニックリーダーのケンがレスキュー隊リーダーのアインに聞いた。
「ケンさん、もうちょっと状況が分かったら知らせます
なぁグレン、救難信号って事は遭難か?」
「船が故障して立ち往生かもよ…」
アインとグレンは救助艇と作業艇の装備を考えていた。
医療チームもスタンバイを急いでいる。
「まだ被害者がいるか分からないが、基本的な準備は怠るなよ」
船医カークが医療チームを指揮していた。
「先生、私は同行した方が良いかしら?」
もう一人の船医レイラがカークに確認した。
「まだ艦長から何も言ってこないが、準備だけはしとけ」
二人はそれぞれに準備を進めた。