第1章 結成!GalaxyAngels
救助隊ブロックの隣は整備場になっている。艦艇や各種作業機器などの点検整備はここで行われる。何人ものメカニックが行き来していた。
「おぉ来たか」
スコット達を見付けたケンが声を掛けてきた。油で汚れた作業ツナギを着ている。
「もう油塗れか?」
「やる事やっとかねぇと気が済まねぇんだよ」
スコットとケンのやり取りにロブが首を傾げいた。
「へ?…お二人は知り合いなんすか?」
「さっき下で会ってな、この艦の事を話してたんだ」
「じゃあ、俺はまだ整備があるからよ」
ケンは仕事に戻り、二人は整備場から機関室に向かった。
機関室は文字通りこの艦の動力機関が収まっている。銀河連邦製の為、今の地球の技術では到底作り得ないエンジンが積まれている。
機関室の中は制御盤やモニターが幾つかあり、三人の技師がそれを見ていた。
「黒沢機関長、艦長をお連れしました」
ロブが機関長と呼んだのは、五十前後の東洋系の男だ。小柄で白髪混じりの黒髪と黒い瞳、年相応な体形はどこにでもいるおじさんって感じだ。
「機関長の黒沢幸四郎です」
「艦長のスコット・ハートです」
挨拶をし握手を交わした。早速、スコットがエンジンについて質問を始めた。
「銀河連邦製エンジンはどんなエンジンなんです?」
「うーん、実はよく分からんのだよ
使い方は講義も受けたし、マニュアルもあるが、構造的な事は何も分からない
ケンとも話したんだが、故障したら多分直せないだろうな」
黒沢機関長はお手上げといった素振りを見せた。