第1章 結成!GalaxyAngels
「艦長さん、なんか食べてくかい?」
ターニャが腕まくりしたが、ロブが止めに入った。
「おばちゃん、まだ案内せなあかんからまた後で来るわ」
「そうかい?
じゃあ、しっかり艦長さんを案内してきな!」
まるで母親の様な返しにロブは苦笑いしながら食堂を出た。
「食堂はおばちゃんの他に五人スタッフがいるんすけど、ほとんどおばちゃんが作ってるんすよ」
「そうか、今日の飯が楽しみだな」
そんな会話をしながら医務室の前に来た。
「先輩、ここの医者は怖いっすよ」
医務室のドアの前でロブがそんな事を呟いた。
(医者が怖い?)
スコットは首を傾げながら、ロブの後に続いて医務室に入った。中では白衣を羽織った白人男性が薬棚を整理している。
「先生、艦長をお連れしました」
ロブが珍しくちゃんとした敬語で声を掛けた。
「ん?あぁ船医のカーク・シュミットだ」
グレーの短髪で渋い声とがっしりとした身体、頬に傷も有り、どう見ても医者と言うより救助隊員か兵士だ。ロブが怖いと言ったのも分からなくない。
「スコット・ハートだ、よろしく頼む」
カークはスコットの挨拶を一瞥するだけで整理を続けた。
「先生!艦長に対してそれはないんじゃない!?」
奥から女性がカークを叱り付ける様に出て来た。
「君は?」
「私も船医のレイラ・シュミットです
すいません、無礼な父で…」
グレーの髪をアップに纏め、凛とした佇まいの女性はカークの娘だった。