第3章 02. 偶然か必然か
「親父、目覚ましたよい」
「あぁ、俺は白ひげだ。おめぇの名はなんてんだ」
『…あっ、は、はじめまして!と申します。よろしくお願いします』
慌てて頭を下げると巨漢の男性はグラララと特徴的な声を出して笑った。
「か…グララ」
「、そのポケモンとやらを見せてくれねぇかよい。実物を見ねぇとお前の話が本当かどうか信用ができないからな」
マルコさんの声は冷えきっている。
正体も分からない不審な私を警戒しているのだ。
『…わかりました。出てきてダイケンキ!』
ポケットからモンスターボールを取り出し空中に向かって投げた。
「グアァアアアッ!!」
ピカッとボールが光り中からダイケンキが飛び出してくる。
ミジュマルの最終進化系であり頭部には法螺貝のような巻貝状の兜と鋭い一本角がある。
また「貫禄ポケモン」と云うだけに、一睨みで敵を黙らせたり、吠えるだけで相手を威圧する事も出来るポケモンだ。
周りにいた人たちはいきなり出てきたダイケンキの姿に驚き声を上げていた。
『この子はダイケンキというポケモンです。私がトレーナーになって初めてゲットしたポケモンなんです』
「かっこいいなこいつ~」
エースはダイケンキに近付き笑顔を見せる。
いきなり姿を現したダイケンキに興味津々のようだ。
『ありがとう、エース。ダイケンキも喜んでるよ。ダイケンキは水ポケモンで水の技が使えるんだよ』
「水!?…能力者の俺には水はちょっとな。…試しに俺のメラメラの実と勝負してみようぜ!」
『メラメラ…?実…?』
何を言っているのだろう?
頭を傾げてエースを見ていると彼の体から炎が吹き出された。
『エ…エースの体から火が』
「エースは悪魔の実を食った能力者だよい。ちなみに俺もだけどよい。…試しにポケモンと戦わせてみろよい。…お前たちの力が知りたいしな」
『悪魔の実…?…良く分からないけど戦うしかないみたいだね。怪我しても知らないからね!エース』
「おう!水か~俺の炎を防げるかな」
「グラララ、面白そうだな」
巨漢の大男は笑いながら酒を煽った。
ここに置いてもらうには力を示さなければ行けないようだ。
『全力でいくよダイケンキ!』
ダイケンキはの声に反応して勢いよく鳴いた。