第4章 03. 火と水
「最初の水の技には驚いたが、仮にも隊長だからな。仲間の前で負けるわけにはいかねぇぜ」
体を火に変化させ炎を操るエースの能力。本人の強さ・頭脳の両方が絡み合うことで使用用途の幅が広がる為広攻守共に非常に強力な能力になっているようだ。
「そこまでだよい、たちの実力はわかったよい。これ以上暴れさせると船の修復が大変だからねぃ」
「グララッ、そうだな。なかなか面白かったぜユウナ、ダイケンキ。
ユウナ、俺の娘になれ」
『…娘?』
「…親父の家族になるってことだよい、良かったなユウナ」
「ここにいれば何も困ることはねェ。欲しいもんはなんでも買ってやる。グララ」
『……はい!私、何でもお手伝いします!この船に乗せてください』
「グララ、決まりだな、おめェは今日からうちの家族だ」
わああと周りから歓声が湧きおこった。
「これからよろしくな!ダイケンキもな!さっきは悪かったな。怪我大丈夫か?」
エースは罰が悪い表情でダイケンキに駆け寄る。
「ちゃんこれからよろしく!わかんないことがあったら何でもこのサッチ様に聞いてくれ」
『はい、よろしくお願いします!』
―――私はしばらくの間、白ひげ海賊団にお世話になることとなった。
『ダイケンキ、はい、オレンの実だよ。
…しばらく向こうの世界には帰れないけど、ダイケンキたちがいるから大丈夫だよね』
「グアァ」
ダイケンキは小さく鳴き返事をする。
その優しく頼もしい姿に安堵の表情を浮かべ、そっと涙を流した。