第4章 03. 火と水
―――ポケモンがいない世界。
海賊、悪魔の実、わからないことだらけのこの世界から私は元の世界に帰れるのだろうか。
甲板にいた男性たちはエースとから離れて笑いながら観戦をしていた。
どちらが勝つかなど賭けをしている人たちもいるようだ。
『船壊しちゃったらごめんなさい!じゃあ、こっちからいくよ!ダイケンキ、ハイドロポンプ!!』
「ガァアアアアッ!!」
私の攻撃の指示を聞いたダイケンキはエースに向かって口から勢いよく水を発射する。
それを見た男性たちは慌てて逃げ出し、標的のエースは体に炎を纏い素早く回避していた。
大量の水を激しい勢いで噴射して攻撃したが避けられては意味が無い。
「あっぶねぇ~、あんなの当たったら一撃だな…」
『回避が早い、しかも体が火になって動くなんてだったら接近戦でいくよ!ダイケンキ、アクアジェット!!』
先制技であり水流の勢いの如く相手に突っ込んで相手にダメージを与える技だ。
ダイケンキは体に水を纏い勢い良くエースに向かって突っ込んで行く。
「へェ、そんなこともできんのか。面白いなポケモンって、だがな!」
エースはその場で巨大な火の玉を作り、ダイケンキに向けて投げつけたではないか。
バァン!
と大きな爆発が起き、白い煙が甲板を包み込む。
ダイケンキは私の隣に勢いよく落下してきた。
『ダイケンキ!?』
慌ててダイケンキに駆け寄った。
かなりのダメージを受けたようで、ダイケンキはその場から動けず気を失っていた。
どうやら私の負けのようだ。