第10章 スカーレットからの依頼
とはいえ、手伝うと言っても何をすれば良いものか?
「…で、その材料って何なんだ?」
「それがね、魔法銀と相性が良さそうな材料だって…」
「…何それ?」「え~と…」「…魔法銀って何ですか?」
みんな首を傾げる。
シャルルに至っては魔法銀すら分かっていない。
「分からないでしょ?
だからみんなに手伝ってほしくて…」
Aランク冒険者の(ガブリ)エルでさえ分からないなんて、困難な依頼と言って良い…んだろうな。
しかし、何処に行ったら良いものか?
「う~ん、…金属の事ならダットンが詳しいんじゃないか?」
「そうね、子猫ちゃん冴えてるぅ♪」
相変わらず背筋が寒くなる返事だ。
そんなことで、俺達はダットンの店に向かった。
「あのぉ…ガブリエルさんは魔法使えるんですか?」
シャルルは何故か俺にしがみつきながら(ガブリ)エルに聞いた。
「シャルルちゃん、私はエルよ!」
「すいません!すいません!」
(だから、何で俺の後ろに隠れる?)
「…私は土の魔法を少しだけね
ちゃんと修行してれば魔法騎士になれたかもね♪」
(ガブリ)エルはウインクしてみせた。
「土の魔法ってどんな魔法なんですか?」「魔法騎士って何だ?」
俺とシャルルがほぼ同時に声をあげる。
「もう、二人ともせっかちなんだからぁ~♪」
ゴツい身体をくねらせた。
「土の魔法は防御魔法が多いわ…
私はガイアウォールしか使えないけどね」
「あれ?この前、手から光の玉出したよな?」
「あれは基本的な無属性魔法だから、魔法使いなら誰でも出来るわよ」
「そうなのか?」
ティアナとシャルルを見やると、二人は黙って頷いた。