第9章 シャルルの決意
シンバはダットンに提案したそうだ。
「しばらく私の助手をしませんか?」
シンバは耳をピョコピョコさせた。
この辺はシャルルと一緒だ。
「何で俺が商人の手伝いをしなきゃいけない?」
ダットンはシンバを睨み付けた。
「私は職人達から直接商品を仕入れています
私の助手であれば、職人達と顔馴染みになれますよ
職人達に信用されれば、あなたの望みも叶えられるんじゃないですか?」
「うっ…確かに信用は大事だ…が…」
「もちろん、助手として私の仕事も手伝っていただきます
仕事した分の給料はお支払いしますし、生活面でのサポートもします
貴方にも私にも悪い話じゃないと思いますが?」
ダットンは少し考えた上で、シンバの申し出を受けた。
「…まぁ、あんたに付いてれば職人達に信用してもらえるかもな
俺はダットン、よろしく頼む」
ダットンは、しばらくシンバの手伝いをしながら職人との信用を築いていった。
「ダットン、ちょっと手伝ってくれないか?」
数ヶ月経って、遂に職人から声が掛かった。
「ここはこの方が良いんじゃないか?」
「なるほど、そんなやり方があるんだ」
ウサ人種独特の技法を教えてもらうのと同時にダットンは知りうる技法を職人に教えた。
お互いに有益な修行となり、ダットンは満足してダイムランドを離れたそうだ。
「あの時、シンバが声を掛けてくれなければ…
どんなに感謝してもし足りないぜ
シャルルと言ったな、困った事があったら何でも言ってくれ
必ず力になるぞ!」
ダットンはシャルルの頭をワシャワシャと撫でながらビールを一気に空けた。