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俺の異世界奮闘記

第9章 シャルルの決意


「それじゃあ、早速開店準備を始めな」
ローズは仕込みしながら指示する。
「シャルル、良いのか?ここで…
冒険者の宿もあるんだぜ」
俺は、ローズに聞こえない様に小声で呟いた。
「宿代を考えれば有り難いです」
シャルルは耳をピョコピョコさせている。
「シャルルって、嬉しいと耳がピョコピョコするのね」
ティアナがシャルルの耳を撫でた。
「あんっ…耳は…ダメぇ…」
シャルルはその姿に似合わない艶かしい声をあげた。
「ウサ人種の耳は敏感に出来ているんだ
むやみやたらに触るんじゃない!」
ローズが後ろを向いたままだが、見ているかの様に注意する。
(絶対、後ろに目がある…)
「…失礼しました」
シャルルの様子も元に戻って、俺達は開店準備を始めた。

「ティアナさん、宿の話し聞かずにすいませんでした」
シャルルはティアナに頭を下げた。
「良いのよ
それにここなら毎日会えるしね
あっ、同い年なんだから『さん』は付けないでね」
ティアナは笑顔で答えた。
「じゃあ…ティアナ…
友達に…なってくれますか?」
シャルルの耳がちょっと下がった。
「何言ってのよ
もう、友達でしょ?」
ティアナはウィンクして見せる。
「ありがとうございます!」
シャルルは大きな声で礼を言った。
「静かに準備出来ないのかい!」
ローズが怒鳴った。

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