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俺の異世界奮闘記

第8章 港町フォードス


「我願う…風よ集いて強き渦となれ…」
シャルルは風の魔法を唱える。
山の様に集まった蟹の周りを風の渦が取り囲んだ。
「ゲイルプリズン!」
風の渦がどんどん狭まっていく。
渦の中の蟹は、風の壁に阻まれ行き場を失い渦の内側でぶつかり合っていた。

しばらくして風が完全に集束するとそこには大量の蟹が転がっていた。
「凄い!こんな大量にバトルシザース捕れたの初めてよ!」
ティアナの目がギラギラだ。
「へぇ~シャルル、頭良いんだな
硬い蟹同士をぶつけて倒すなんて…」
「…恐縮です」
シャルルは耳をピョコピョコさせながら照れていた。


「あんたら凄いな!
30匹もいるぜ」
船に戻って蟹を渡す。
この漁自体が依頼と同じで、バトルシザースの数がポイントに変わる。
ランクに関係なく一匹1ポイント、三人で30ポイント貰えた。

港に戻って船を下りてから気が付いた。
「あっ!元々の依頼の蟹はどうすんのだよ!?」
「大丈夫よ」
ティアナはそう言うと背中に背負った蟹を見せた。
「いつの間に…」
「ティアナさん、素早いですね…」
俺とシャルルは目を丸くした。
「わ、私は猟師なんだから、仕留めた獲物は逃がさないわよ」
シャルルとティアナのおかげでフォードスの名産も無事手に入れた。
…って、俺は何もしてねぇじゃん。
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