第8章 港町フォードス
漁船?に乗り込むと血気盛んな冒険者達がやる気満々だ。
「腕がなるぜ!」
「デカいの捕るぜ!」
「最低三匹は捕ってやる!」
どう考えても漁をする雰囲気じゃない。
「ティアナ、どうなってんだ?」
「ここの名産は、バトルシザースっていう蟹よ
超美味いんだから!」
ティアナもやる気がみなぎっている。
「…ですが、凶暴で死者もでる危険な漁ですよ」
ティアナの説明にシャルルが補足する。
(なんか良いコンビだな…)
「…って事は、また戦闘?」
俺はまだ暁丸が抜けないのに、どうすりゃあ良いんだ?
漁は港の沖にある小島の周り、干潮になるとバトルシザースが餌を求めて大量に上がって来ると言う。
それを狩るのだが、体長が1mにもなり、鋭利なハサミを持ってるモンスター並に凶暴な蟹。
しかも、稀にモンスター化した巨大なブラッディシザースなる奴もいるとか…。
「そんなモンスター蟹が出て来たらどうすんの?」
「それはそれでラッキーよ
たっぷり稼げるもん♪」
ティアナの目が鉱山の時の様に爛々と輝いている。
(こいつ、まさか食い物にも…)
「ここの漁は王国が管理しています
モンスター化した蟹が出現した場合は、それだけで報酬が出るんです」
シャルルの説明で納得した。