第7章 魔法使いシャルル
「…ところで冒険者のランクって、どうすれば上がるんですか?」
シャルルがティアナに向かって質問した。
俺もちょっと気にはなってたのでちょうど良い。
「同一ランクの公式な依頼を一人で十回クリアすればランクアップよ」
冒険者のランクアップには、役所で受ける依頼をクリアして査定ポイントを貯めればいいそうだ。
同一ランクの依頼なら一回10ポイント貰える。
二人なら5ポイント、三人なら3.3ポイント貰え、トータルで100ポイントを超えるとランクアップとなる。
今回のティアナの様に一つ下のランク依頼はポイントが1/4、一つ上のランク依頼なら1.3倍のポイントが貰える。
「…そうなんですね
私の町には冒険者の役所が無いので、よくわからなくて…」
シャルルは要点をメモに書き留めながら聞いていた。
「シャルルは真面目なんだな」
俺から見たらシャルルは超優等生だ。
「そんな事ないですよ
何も知らないので、勉強中なんです」
「猫左衛門も少しは見習ったら?」
ニヤけるティアナに嫌味を言われ、苦笑いするしかなかった。
(ニヤけ顔はディアスそっくりだな…)
「猫左衛門さんはなんで冒険者になったんですか?」
「…俺?…俺は、あっ…ちょっと複雑な事情でね
詳しく言えなくて悪い…」
ティアナに睨まれて、本当の事は言えなかった。