第7章 魔法使いシャルル
「そうですか…
事情は人それぞれですから仕方ないですね」
シャルルはちょっと残念そうだ。
「シャルルは一人旅なんだろ?
この依頼終わったらどうするんだ?」
「私は…」
シャルルは言葉に詰まっている様に見えた。
「当てがないならローズに頼んでやるぜ
ローズなら何とかしてくれるだろ?」
「猫左衛門!そんなの勝手に決めてローズに怒られるわよ!」
ティアナの言ってる事は正しいが、このままほおっておけない。
「でもよ、ローズなら何だかんだ言っても世話焼きだから…」
「いえ…知り合ったばかりですし、そんなお手間は…」
シャルルは至って丁寧だ。
「あっ…だったら、冒険者の宿があるわよ
戻ったら案内してあげる」
ティアナが思い出した様に言い出した。
「「冒険者の宿?」」
俺とシャルルがハモる。
冒険者の宿とは王国直営の宿泊施設だそうだ。
朝食温泉付きで王国冒険者なら格安で泊まれる。
シャルルみたいな地方出身者には嬉しい限りだと言う。
「ありがとうございます
お願いします」
シャルルは嬉しそうに耳をピョコピョコさせながらお礼を言った。
「そんなの有るのか?
だったら早く言えよ」
「だって私も使った事がないから、忘れてたのよ」
ティアナは実家暮らしだから仕方ないか。