第7章 魔法使いシャルル
しかし、それがディアスの逆鱗に触れた。
「貴様等!全員素振り千回!」
団員達は横並びで剣の素振りを始める。
「今日も平和だな…」
ディアスは俺より団員達の訓練に集中してしまった。
「…帰ろっか」
ティアナが俺の腕を引っ張って外に出る。
「なぁティアナ…
俺は冒険者になれるかな?」
「えっ?鉱山でモンスター倒したじゃない
もう十分冒険者よ」
(あれでも倒した事になるのか?)
まあ、銀を採ってきた訳だし、ローズの依頼は達成したよな。
「じゃあ…冒険者の登録でもするか?」
「本当に!?すぐ役所に行こうよ」
ティアナは凄い乗り気だった。
(しかし、役所って言われると冒険者らしくないよなぁ)
ティアナと一緒に冒険者登録の役所に向かった。
「…これで登録完了です」
冒険者登録は役所の受付で、魔法紙と呼ばれる登録用紙に名前と手形を押すだけだ。
この魔法紙は手形から個人を特定出来るそうだ。
登録すると冒険者の指輪を渡される。
王国冒険者の証でもあり、王国内での身分証明になる。
これも魔法道具で、冒険者ランクが上がると色が変わる。
登録したばかりの俺はEランクの黄色だ。
最高位Sランクは黒だという。
Aは白、Bは赤、Cは青、Dは緑色になる。
ティアナは緑色の指輪をしていた。