第7章 魔法使いシャルル
「そんな事は本人に聞くんだね」
ローズは素っ気なく答えた。
「まぁ別に良いんだけど、もし彼氏がいたら俺やローズに付き合わせるのは可哀相かなと…」
「あの娘にはちゃんと報酬を払っている
変に気を使わなくて良い…」
(なるほどね、だから素直に銀を渡してくれたのか…)
「でも、ローズはもう少し気を使った方が良いんじゃねぇの?」
ローズがフライパンを手にしたから、すぐに距離を取った。
「ふん、逃げ足だけは早くなったか…
くだらない事言ってないで、さっさと寝な
明日も早いからね!」
店の片付けを済ませると、倒れる様に眠りに着いた。
翌朝、仕入れに行って、朝ごはんを済ませるとディアスとティアナが顔を出した。
「今日は訓練出来るんだろ?
早く準備しろよ」
ティアナはげんなりとしているが、ディアスは相変わらず笑顔だ。
(何か、小学生が学校へ行こうって誘ってるみたいだな)
「分かったよ」
俺は渋々準備をして店を出ようとした。
「ちょっと待ちな
訓練の前に、この銀をスカーレットに届けておくれ」
聞き慣れない名前が出てきた。
「スカーレットって…あのっ!あの魔導師のっ!?」
ティアナは知っているようだが、えらく驚いている。
「…誰?それ?」
どうやらこっちの世界の有名人らしい。