第6章 銀に釣られて…
断末魔と共に三頭の蛇は塵と化した。
「ナイス!エル!」
「小猫ちゃんもやるわね」
俺達はハイタッチして、笑いあった。
「あっ!キスしなくっちゃ!」
(ガブリ)エルが要らん事を思い出した。
「要らんって!」
間一髪、魔の手を逃れた。
「猫左衛門!ちょっと来て!」
ティアナが俺を呼んだ。
「これ見て!」
三頭の蛇の塵の中に光る塊が見えた。
「これって…」
「銀?…みたいね」
「…って事は…」
掘らなくて済んだ。
塵の中を探してみると、出るわ出るわ…。
「こんな量、見たことないわよ」
(ガブリ)エルが目を丸くする。
とりあえず持って来たバッグに詰めるだけ詰めた。
「まだ結構残ってるけど、どうするか?」
「もちろん、全部持って帰るわよ!」
ティアナの目が異様に輝いて見えた。
「あちゃ~
ティアナがあの目付きしたら、もう止まらないわよ」
(ガブリ)エルが頭を抱えた。
「どういう事だ?」
俺は何が何だか分からなかった。
ティアナは異常な早さで坑内を駆け回り、大小の木箱やらロープを探してきた。
「これをこうして…
あれをこうして…
ここにあれして…」
凄い勢いで何かを組み立てている。
「おい、あれティアナか?」
今までのティアナとは掛け離れた姿に目を疑った。