第6章 銀に釣られて…
とどめを指されたモンスターは塵の様に崩れて消えていく。
「えっ?モンスターって死体が残らないのか?」
俺は首を傾げた。
「これも魔法因子が原因だって言われてるの…」
ティアナが教えてくれた。
(ゲームみたいに金やアイテムを落としてくれたら楽なのに…)
俺の思いが通じたのか、(ガブリ)エルが何かを見付けた。
「…石の鱗ね」
「そんなもんどうすんだ?」
「これは防具の材料に使えるから、小遣い稼ぎになるのよ
こういった材料を採取する仕事もあるしね」
ほう、アイテムは落としてくれるんだ。
「じゃあ、モンスターの肉とかもあったりするのか?」
「…たまに身体の一部が残るけど、肉は見たことないわね」
ティアナが苦笑いで答える。
「そうかぁ…それは残念」
巨大モンスターの肉なら、マンガで見る骨付きの塊が出来ると思ったが、さすがにそれは無理な様だ。
鉱山に入っていきなりモンスターとご対面とは思わなかったが、二人の実力が分かったので良しとしよう。
「銀はどの辺にあるんだ?」
「そうねぇ…
三階くらい下に行かないと無いわよ」
(ガブリ)エルは答えると同時に手の平に光りの玉を出した。
「…何あれ!?」
「エルは少しだけど魔法が使えるの…
あれはマジックトーチね
夜の探索や洞窟の探索には絶対必要な魔法よ」
ティアナが説明してくれた。